弓の毛も弓とのバランス

Xにも記しましたが、弓の毛にはイタリア産、カナダ産、モンゴル産などがあり、産地によって発音や音色、また値段が異なります。

高価な毛は高性能な弓に張ってこそ能力を発揮すると言えます。高価な毛ほどダイナミックレンジと周波数レンジが広がりますが、弓自体のダイナミックレンジや周波数レンジを超えることはできません。ボトルネックを考えることが適切な商品を選択することになります。

自動車の性能とタイヤの性能のバランスに似ています。高性能なタイヤは高性能な車に使って能力を発揮します。このバランスが取れてこそトータルでの性能を引き出すことができます。

したがって量産品の弓に高価な毛はメリットは薄いし、ケチって高性能な弓に安価な毛は弓が能力を出せず弓がもったいないです。具体的には30万円程度以上の弓なら上質な毛を張るメリットも出てきます。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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