音程を合わせられるのは知っている音

ある程度のヴァイオリンを弾いている方なら、ソレラミ、ファ#、ド#など頻用する音程は絶対音感の有無によらず大体把握できるものです。

そうなると注意すべき音はあまり知らない音と言うことになります。例えば、ド♭やミ#などは馴染みが薄いでしょう。それぞれシやファに読み替え馴染みある音として把握する方法もあるし、そのまま把握しようとする方法もあり得ます。そのまま把握するには信頼できる音で確認するのがよいと言えます。

ピアノなどの鍵盤楽器やスマホアプリのキーボード利用で充分効果的と思います。目的はただ鍵盤を叩いて音を出しました知らない音を知った音にしようとすること。そこに着目なさると良いと思います。

TEチューナーというアプリです。様々な練習支援になります。

こういった鍵盤楽器での確認を否定する意見があるのも知っています。細かい音程が違うと指摘したい人がいるのも承知しています。ですが特別な能力が不要で誰にでも簡単にローコストで音程を確認しうる手段としては最適と思います。音程の精度より音楽ができるかどうかの方が大事です。

例えば「ガット弦でこそヴァイオリンの音程を取れるもの」はある意味事実です。けれどもメリットとデメリットを天秤にかけて特に初歩段階ではまずは負担の少ない選択肢を提案するのが教える側の責務と考えています。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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