ヴァイオリンの演奏上の問題を解決しようとするときに、「しっかり頑張る」という発想になりがちですし、そのように教えられることすらあります。
例えば、ヴァイオリンをうまく持てない時にしっかり、音がうまく出ない時に弓を弦にしっかり当てて、左手がうまく動かない時に素早くしっかり、届かない時はしっかり伸ばして等々。しっかり弾けば上手く弾けるのなら指導は不要です。
ヴァイオリンや弓が力をかけるほど音が出る構造になっているのであればそれでよいのですが・・・。実際、調整の悪い安価なヴァイオリンや弓の場合はしっかりの方が良い場合もありますが・・・(昭和30年代はそんな楽器ばかりだったのでしょう)。
扱っている道具の構造、扱っている音楽の構造に沿って弾くことが上手く弾けることにつながります。教える側としてもそこを見極められるよう努力しているところです。