演奏の解釈については様々なことが言われます。ここを膨らませ、ここは伸ばしなどと事細かく言われます。それはそれで有効なのですが、音楽は音楽で独立して考えられ、その国の歴史や文化、言語との対応はあまり論ぜられてこなかったように思えます。
ここ20年ほどになってやっと、歴史的背景や楽語の意味について考慮されるようになりつつあります。当時のスタイルの楽器というだけでなくその当時の音楽のニーズなどを考慮します。楽語も「アレグロ=速い」の単純過ぎる意味づけが問題視されるようになってきています。
音楽も文化のひとつです。高校でやるような最低限の西洋史は知っていないといけないし、美術や工芸と演奏する音楽との対応関係が取れる必要もあります。感覚的にその文化の動き方を感じ取ることも。
私はキリスト教の国に生まれていませんので、音楽解釈は本質的にできないと思います。だからこそ知る努力は必要と考えています。