解釈の1stステップは文化を学ぶこと

演奏の解釈については様々なことが言われます。ここを膨らませ、ここは伸ばしなどと事細かく言われます。それはそれで有効なのですが、音楽は音楽で独立して考えられ、その国の歴史や文化、言語との対応はあまり論ぜられてこなかったように思えます。

ここ20年ほどになってやっと、歴史的背景や楽語の意味について考慮されるようになりつつあります。当時のスタイルの楽器というだけでなくその当時の音楽のニーズなどを考慮します。楽語も「アレグロ=速い」の単純過ぎる意味づけが問題視されるようになってきています。

音楽も文化のひとつです。高校でやるような最低限の西洋史は知っていないといけないし、美術や工芸と演奏する音楽との対応関係が取れる必要もあります。感覚的にその文化の動き方を感じ取ることも。

私はキリスト教の国に生まれていませんので、音楽解釈は本質的にできないと思います。だからこそ知る努力は必要と考えています。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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