X(旧ツイッター)での毎日のお話をこちらに移してくることにしました。
モーツァルトのコンチェルト。簡単だと音大生あたりが言うのはナメているとしか言えずSクラスの難易度です(ヴァイオリンコンチェルトで最も難しいかもしれません)。子供かあらゆることを経験した老演奏家が良い演奏をするとも言われます。
モーツァルトは演奏者があらゆる事を考える必要はありますが何もしていないかのように弾かないといけません(と私は大人になってからおじいちゃん先生に習いました。究極の指導です)。これがどれほど難しいことかは経験が増えるほど、できることが増えるほど分かることでしょう。
ロマン派のように弾いては問題外。演奏者が出しゃばっては音楽が壊れる。ヴァイオリン音楽みたいに弾いてもダメ。素材が良すぎる曲は演奏者の余計な仕事は邪魔にしかならないのです。小手先の小細工は一切受け付けてもらえません。
私自身は達観できる程の人生経験はなくもちろん分かっているわけではありません。でもレッスンでもそういう風に進めた方が確かに良い演奏になります。そしてモーツァルトのあまりの才能にも都度圧倒されます。

ベーレンライターの楽譜。最小限の指示しか書いていません。
古い楽譜のようにあれこれ書いておらず、これこそ分かった人の校訂なのでしょう。
なおカデンツァはかなりいろいろ書いてあります(ヨアヒム自身の指示かは不明です)。