ローコスト弦アルファユーは全然悪くない

X(旧ツイッター)での毎日のお話をこちらに移してくることにしました。

弦の値上がりには驚かされます。値上がりに伴って品質が良くなるのなら良いのですが、ピラストロの弦は値上がりに反比例して品質は下がる一方に思えてなりません。

トマスティックのローコスト弦にアルファユーというものがあります。これは全然悪くありません。ヴィジョンやピーターインフェルドに近いやや硬質な現代的な音ですが、特に弱点はありません(製造工程でのローコスト化なのでしょうか)。

安価なヴァイオリンも高価なヴァイオリンもそこそこに鳴らすのが優れた特性です。安価なヴァイオリンでも立派な音が出るのはローコスト弦には必要なことです。ローコスト弦を必要とする人は高価な楽器を使ってはいないためです。

寿命も長いです。愛知に置いてあるヴァイオリンに張ってあり先日改めて確認しましたが、張ってから5年経過しても大きな劣化は感じられませんでした。音は徐々に張りの少ない音になりますが、弦のピッチが不安定にはなっていません(弦は劣化するとピッチが不安定になる)。

弦の値段を気にするのであれば充分選択肢になり得ます。その浮いたお金でレッスンや楽器の調整、それから弓にお金をかけた方がトータルとしてよほど良い音質が得られます。

なおうちではドミナントのADG線を使っています。音色はE線で調整します。変な味付けのついた弦よりもこの方が表現力は豊かと思います。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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