X(旧ツイッター)での毎日のお話をこちらに移してくることにしました。
自分自身もかつて未熟な耳で古い名演奏家の音程がずれていると感じていました。先日クライスラーのSP盤を良い蓄音器で聴かせて頂く機会があった時に、これはとても音楽的な音程感と改めて感じました。
音楽的な気持ちの変化に応じた音程。改めて聴くとクライスラーもティボーもメニューインも現代の耳では「調子はずれ」と言われるような音程で弾いています。これが素敵だなと確信が持てるようになりました。「正しい音程」であろうパールマンの弾く「愛の悲しみ」が単調に聴こえてしまいました。
自分自身の音程感は紆余曲折を経て子供の頃の方が「正しい音程」だったかもしれません。でもそれは音楽的ではなかったように思えます。単旋律楽器としての音程を大事に考えたいと改めて思いました。ただレッスンではチューナー的「正しい音程」に基本的にはします。
なお黎明期の蓄音器の音もノイズがとても少なく、むしろ現代のオーディオ機器より生々しいリアリティある音でした。古い初期の録音機がこれほど優れたクオリティだったことに驚き、多くを考えさせられました。
