初めてお越しの方のレッスン〜手順を書き出してみた

火曜〜木曜は東京にてレッスン。ご利用&お越しの皆様有難うございました。だいぶ盛況な感じに戻りつつある実感。今回、初めてお越しの方もおふた方おられ、また久しぶりの方にご予約を頂き嬉しく思いました。

X(ツイッター)にも書いたが、初めてお越しの際は、お越しの方も緊張するかと思うが、私の側も大変に緊張する。これまで900人ほどの方にお越し頂いているが全く慣れず毎回必ず緊張するな・・・。

予約時のご要望に沿ってある程度プランを数種類考える。馴染みのない曲の場合は自分の側がある程度消化できるまで練習も必要(教えるための練習であって、人前で弾くための練習ではありません。むしろ人前で弾くより難易度は高い)。

これまでには予約時間の1時間半も前にお越しになった方もおられた(しかも文句言われた)ので、朝一番であればレッスン前の部屋掃除も前倒しだし、前のレッスン中にも気を張っている。

そもそも予約しつつお越しにならない方もこれまでにはおられた(そう言うフザけた人も世の中にはいるものです)。時間から10分経過してお越しにならない時は電話連絡するよう自分でマニュアル化している。

道案内は分かりやすくしているつもりだが、密集した住宅街なので通り過ぎてしまわれることもある。その理由もあり、レッスン前はなるべくヴァイオリンを弾いて音を出すようにして音でも分かるようにしている(こういう手がかりも大事)。音を出しながら予約時のご要望を最終確認。

準備の様子も見ている。楽器の扱いや松脂を塗る様子を見て、その方の習ってきた流派やレベルをある程度判断する。それでやるべきレッスン内容が変わってくるため。チューニングの音の出方を聴いて楽器の調子や駒の曲がり具合・弓の張りなどもチェックする。

ご要望のヒアリングも。例えば、ご要望が「基礎技術の充実」と「コンサート前で完成度を高くしたい」ではやるべきレッスン内容が全然変わる。ご要望に沿ったレッスンでなければ、上手くしたとしても意味を持たない。

現状の把握のために弾いて頂く。「出来不出来を見るわけではなく、うまく弾けていないからと言って怒るなどはしない。どこから話を始めるかの判断のため」と必ず私の側から伝えてから弾いて頂く。ミスの有無ではなく、例えば「音はかすれがちなのかつぶれがち」なのか、「音程は上がりがちか下がりがちか」など傾向を見ようとしている。そしてその原因を探る。

実際のレッスンが始まるまでに初回はこれだけの事が通常のレッスンの前に追加されることになる。

書いてみてこれだけの事を手際よくこなすには確かに緊張するわ・・・。無料体験レッスンなんて世間ではよく成り立つよなあ。うちじゃとても割に合わず無理・・・。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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