聴く側に解釈を委ねるのが良い演奏の場合も

土曜・日曜は東京にてレッスン。特に日曜は直前に多くのご予約を頂き7コマと多くのレッスンになりました。私も頑張りました!ご利用&お越しの皆様有難うございました。

ヴァイオリンの演奏はとかく演奏側が「こう表現したい」となりがちで、「聴く側にどう捉えてもらおうか」と考える事は少ないもの。「感情・表情豊か」な演奏が良い演奏と誤解されがちだ。例えるなら、料理人が食べる側のことを全く考えずに一方的に作るのと似ている。それは自己満足に過ぎない。

究極の良い演奏のひとつのあり方として、聴く側がどうとでも捉えうる演奏がありうる。虹色が文化によって5色にも7色にもなるようなもので、聴いている人がそれぞれ人生で作り上げた感覚やその時々の気持ちの持ちようで、都度変化する変幻自在な音楽だ。

今回のレッスンでそんなお話をさせて頂いた方がおられた。

演奏側が表情を作るのは情報を削っていることで、情報量はむしろ少なくなり表情は限定されてしまう(写真の色味修正のようなものだ)。可能な限り情報量を削らず、情報の取捨選択や判断を聴き手に委ねるのが望ましいタイプの音楽もあるものだ。

結果、良い演奏になった。私としても嬉しい^^

ヴァイオリン自体についても同じことが言えて
良い楽器は多くの音色を持ち、全部を使うのも一部だけを使うのも演奏者次第
弦もナイロンではドミナントが一番多くの音色を持っていると思います。
だから長らく多くの人に用いられるのでしょう

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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