土曜は東京にて、日曜・月曜は愛知にてレッスン。おお!今回はオンラインレッスンはなく、皆様にお越し頂きました。暑い中お越し頂いた皆様有難うございました。
大手中古車販売店の不正が話題になっていてツイッターでも少し書かせて頂いた。不正の内容は中古車で少なからずある事だし今さら驚くようなことでない。また、この販売店は以前から噂になっていたこと。
そしてヴァイオリンの世界でも演奏、教育、楽器いずれでも同じようなものだ。
根本的な原因は「無関心」にあると思う。車に無関心なら価値観は価格でしかない。大手だから安心と思うのも無関心で面倒だからだ。無関心層が多いから大手が成り立つし不正もはこびる。
ところで私自身は「高級」は好きだが「高級感」は嫌いだ。これについてはまた別途書きたいが、どんな環境の中でも力を失わないのが「高級」で、「高級感」は環境が作り出した幻想だ。でも「高級感」が好きな人は多く、だから演出に酔うのだ。
ヴァイオリンの世界も「高級感」の演出で成り立っている。バカバカしいと思うが現実だ。ジョシュア・ベルがストリートパフォーマンスで弾いても稼げなかった有名な話。一方、ジャック・ティボーはカフェで弾いていたところを見出された話。「高級感」と「高級」の対比としても象徴的だ。
受け手としては演出によるムードだけ享受すれば満足なものかもしれない。でも自分は演出はいらないな。そして演出でレッスンはやりたくないな。演出は残らないし。残る技術をお伝えしたい。残る技術は本物で高級と信じたい。

例えば楽器についてなら。「あなたはこの楽器を文字情報に頼らず判断できますか」という命題。簡単に「分かった」「分からない」という人は不正につけ込まれます。「分かるような分からないような」を繰り返し、小林秀雄「骨董」に記される通り「分かるまで接し続ける」ことと思います。まあ、どんな事でもそこが「カモ」になるかの分かれ道といえます。