水曜は東京にてレッスン。ご利用&お越し頂いた皆さま有難うございました。再び暑くなりました。気温が上がったり下がったりでどうぞ皆さまご自愛下さい。かく言う私も気候の変化についていけておらず疲労感強し・・・。
先日毛替えした弓とは別にもう一本ヴォアランの弓の毛替えをお願いしていた。弓先のチップが割れていて交換が必要だったため少し時間を要した。これまでのお店と異なるお店で毛替えをして頂くのはこの弓にとって初。

ヴォアランの最晩年の弓でとても使い込まれています
スティックの小指の当たる部分がかなりすり減っています
状態は良いとは言えません
毛替えをして頂きこちらも格段に良い弓になりました^^。最初に弾いた一音で「おお〜」と思うほど。
職人さんの毛の張り具合、毛の質はもちろん、チップ交換も効いているのだと思う。チップの交換は長いヴァイオリン人生の中で何回かやって頂いているが変化を感じたのは初。
今回チップの材料としてマンモスの牙を使って頂いた。現代では象牙がワシントン条約で使えないため、代替品として遠い遠い昔に死んでしまったマンモスがしばしば使われる。現代では牛骨が使われることも多い。
予想される音を判断するため、交換前にマンモスのチップ材と牛骨のチップ材とを叩いて音を比べたら思いのほか感触が違った。マンモスは牛骨より音は高いが滑らかな印象。叩いた音の印象の通り、弓でヴァイオリンを弾いた音も華はありつつ滑らかな音色になった。
単にマンモス材だからでなく、大変精緻な加工をして頂き面もきちんと出ているのだろう。むしろそこが効いているのだとも思う。考えてみればチップはヴァイオリンで言えばナット(上駒)と同じことだ。良い材料できちんと作るほど音として結果が出てくるのだろう。
思った以上にチップも音に影響を与えているのかもしれません。興味深い発見でした。良い弓になりました。嬉しいです^^。

交換して頂いた弓の先端のチップ
割れていたので交換して頂いたのですが大満足!