大半は「普通」に弾いている状態だから

ご連絡:2023年2月14日〜16日はお休みさせて頂きます。ご不便・ご迷惑をお掛け致しますが勝手をご容赦ください。

日曜・月曜は愛知にてレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。また今回は火曜の午前中まで愛知に滞在して母を病院に連れて行き。

母を多く歩かせたいため、レッスンの隙間の時間で
寂光院(犬山市の紅葉の名所)や犬山城を見せに連れて行き。

ボウイング・ヴィブラートはヴァイオリニストの永遠の課題と言える。やる事は明確で「普通に何事もなく、届く音を」というだけの事だが、一生追求するべき課題だろう。

これは何か頑張ってというより日々の継続によって獲得できるスキルと思う。やっている事は「普通に何事もなく歩く」事と同じで、何か特殊な練習より、毎日普通に歩くことが技術の向上と維持につながる。その当たり前に普通に歩くスキルはあっという間に失われる。3月の骨折で身をもって知った。

歩く事は脳を多く使い活性化につながるとされる。身体のバランスを取りつつ、地面の凹凸や傾斜の変化に対応しつつ、速度を調整しつつ、違う靴にも応じつつ・・・。かなりの計算量になることは想像に難く無い。だから二足歩行のロボットは長年実現できなかったのだ。

普通に歩けば良いものを飛び跳ねて歩行している状態が、不適切なボウイング・ヴィブラートの状態だ。少なからず「飛び跳ねましょう」と極端な指導されてきた歴史に責もあるだろう。歩行と同じく演奏も「普通の状態」が大半だ。そして「普通の状態」を作るにはどういうボウイング・ヴィブラートが適切か。どういう力加減が、どういうバランスが、楽器や弓に応じて・・・。

歩行と同じく計算量は多いので習得は困難であるし、簡単に分からなくなってしまう。でもクラシック音楽では「普通」は決まっているし、「普通」の中に時々スパイスがあるのが美味しいと私は思う。


石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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