土曜・日曜は東京にてレッスン。急遽お休みになってしまった方もおられたものの、5コマ+7コマと日曜は盛況でした。体調を崩された方、寒くもなってきましたのでどうぞお大事になさって下さい。ご利用&お越し頂いた皆さま有難うございました。
お越しの方で弦の銘柄を変えられた方がいらした。音がおかしくなってしまったとの訴え。こういうことは少なからずあるので、私としてはいつも通りの対処を。
まず駒を中心に調整具合に異常がないかチェック。弦によってテンションが異なるので弦を別の銘柄にすれば当然調整具合も変わる。また弦の交換直後は頻繁なチューニングをするため駒が傾いていることも多いのでその点もチェック。駒の傾きとねじれを直し、楽器側の問題は解消した。
弦によってテンションや設計思想が異なるので弾き方を変える必要もある。軽いタッチで弾ける弦からある程度力をかけないと弾けない弦まであり、弦を含めてお持ちのヴァイオリンや弓の性質に見合った弾き方を提案させて頂く。交換なさった弦ではこれまでより少し強めにと提案させて頂いた。
「そんな弦はダメだから」と伝統的・保守的なヴァイオリンの教育の世界では言われてきたようなことかもしれない。ヴァイオリンの世界でも新しいもの・未知のものを拒む体質は強いが、それは教える側の不勉強というものだ。
ヴァイオリンや弓を変えればと言うのは簡単だが、うちでは量産品からオールドイタリー・オールド弓まで幅広い方がいらっしゃる。それぞれの道具を活かしてどなたにとっても良い音で上手く弾けるようにするのが教える側の腕の見せどころだ。それに演奏技術の引き出しを増やすことになるので、弦の交換を含めて様々な楽器や弓を試すことは歓迎だ。
ヴァイオリンは感覚的なイメージがあるが全く違う。「魔のヴァイオリン」「魔弓伝説」のように感覚的に捉えれば摩訶不思議なことも単なる物理現象に過ぎない。演奏者とヴァイオリン・弓を含めたトータルバランスなので、演奏方法を含めてバランスが変わったところを補正してあげれば必ず好ましい結果が得られるのは量産品であろうとオールドイタリーであろうと同じだ。
縁あって自分は多くのヴァイオリニストと違う観点から学ばせてもらったこと。摩訶不思議な経験則ではなく、物理現象の観点で持ち方・構え方からボウイングなどご提案するとほぼ確実に結果が出るので楽しい^^。

国内の「伝統的ヴァイオリン教育」ではプレーンガット弦こそが
未知の存在で最も拒否される存在かもしれないのは皮肉なこと。
現代的な演奏には様々な支障はありますし楽器や弓も選びますが
ものすごく学ぶことがあります。