木曜は東京にてレッスン。6コマと標準的な日程になりました。ご利用&お越し頂いた皆様有難うございました。しばらくぶりの方もおられ嬉しく思いました。私自身も人生の中で何回目かの「演奏についてのヴァイオリンマイブーム」になっている感じで、お越しの方の演奏から気づくところもありレッスンも嬉しくやっておりました^^。
金曜日は所用で電車で横浜へ出かけた。横浜って豊島区駒込に比べていろいろ洗練されていて都会なんですね!←何を今さらですが^^;。
帰宅後、10月末の演奏に向けての練習を。人前で弾くのは初めてになるピアソラのオブリビオン(忘却)。この曲は「エンリコ四世」という映画の音楽だそうで、落馬事故をきっかけに妄想と狂気に取り憑かれた男の物語だそう。
映画のストーリーとは別に、マリー・ローランサン「鎮痛剤」の「最も哀れなのは忘れられること」を思い出した。タイトルの「忘却」から忘れ去られていく哀れってどういうことかな、願わくばそれを表現したいと思い音楽のストーリー・設計を進めている。
輪郭がはっきりした生命ある存在から、次第に死に向かってぼやけてくすんでいく。それが分かりながら何もできない。そんな忘却のヒリヒリするような感情に作ろうとして、それを表現できる音を探す作業を進めた。左手は叩くように押さえるべきか、ヴィブラートはむしろかけ過ぎにするべきか→こうすると響きは痩せるため。
生まれてから死んで忘れられていくことを考え始めると、今しかできない事をできるうちにやるべきだなと思ったりもしながら→レッスンにこれまでお越し頂いた多くの方を見てきて、やりたい事を思ったようにできる時というのは人生のほんの短い期間と理解できるような歳になりました。
曲は遠ざかっていく景色を見るような悲しい音楽なのだが、こういうことを考えながら練習するのはとても楽しい^^。

こういった練習にはそれほど良くはないヴァイオリンと弓で
まず楽器に頼らず演奏者がやる事を決めていきたいし、練習も負担が少ないし