水曜・木曜は東京にてレッスン4コマ+7コマ。ご利用&お越し頂いた皆様有難うございました。
お越しの方から「ヴァイオリンの楽器自体に興味のある人は男性が多いですよね」といったお話を伺った。大変興味深いことと思った。うちのレッスンや自分の周りでは楽器自体への興味に性差を感じないからだ。
一般論として道具に凝るのは男性が多いとされるし、製作者名やスペックを覚えたり語るのは男性が多いかもしれない。けれども女性も良い楽器や弓をお試し頂くと嬉しそうな表情をなさるし、しばらくするとご自分で良い楽器を探してお持ちになることも多い(ほぼ確実に良いものを選んでこられる。嬉しいことだ)。充分強い興味があるのだと思う。
伝統的なヴァイオリン教育では、楽器は教師が決めて生徒に買わせるものだった。そして現代でもその風習は残っている。プロとして育てるのであれば、楽器のことなんて考えず演奏だけやれば良く、そのメリットも理解できるが、それが楽器への関心や違いを知る機会を奪っているのであれば教育として空虚で寂しいことだ。そして、仮に女性が楽器に関心が薄いとしたら、違いを知る機会を与えられなかったのかもしれない。
うちでは必要な段階になったら、良い楽器や弓を弾いて頂く機会を持って頂く事が多い。またご相談に応じて松脂や弓の毛の差を体験頂くこともある。体験して頂いて何か感じ取って頂ければ、ご自分にとって適切なものを判断できるからだ。
他人の持ち物・財産を決めつけるようなことは教育ではない。一種のハラスメントだ。道具もご自身の状況や好みに応じつつ適切なものを自分で判断できるようにすることが教育と考えている。
