水曜〜木曜は東京にてレッスン。7コマ+6コマと今週も多くの方にご利用&お越し頂きました。暑さがぶり返す中お越し頂いた皆様、特に有難うございました&暑い中お越し頂き恐縮です。時計がずれてしまっていたことに気づかずレッスンの終了が遅れて延びてしまったケースがありました。私の側の不手際で申し訳ありませんでした。
弓のお話です。サルトリーやフェティークといったモダン弓は「操作性」が良いとされる。この「操作性」が何なのか謎だった。「オールド弓の操作性が悪いかなあ?」と疑問に思っていた(オールド弓はあまりに敏感で、慣れないと弾きにくいし気を遣うと言うのはあります)。

手持ちのフェティーク。EXPO弓でそんなに変なものではないはずで
判断の材料にはなり得ると思う。
手持ちのフェティークで弾いていて、「モダン弓のメリットは力を入れられる」ことだろうかとふと思った。ロマン派の曲では力を入れて弾くシーンも多く、力を入れた激しい演奏をするには確かにモダン弓は応じてくれるかもしれない。力を入れて複雑なフレーズを弾くときにモダン弓の方が発音はしやすいかもしれない(オールドは力を入れると滑る)。10数年も前からフェティークは持っているが、最近ようやく気がついたこと。
コロナ禍の前までは稼ぎのほとんどを楽器に注ぎ込み、結果として弓も各時代の主要なものは揃った(コロナ禍になってからは楽器店に迷惑をおかけすることにもなり行きにくくなったので購入もしていない)。分かったこととして思った以上に時代によって弾き方は変わっているのだろうと言うこと。
「曲の時代によって弾き方を変えて」とは言われるものの、数十年前の巨匠の時代はバロック音楽もモダン楽器で近代の演奏の発想で弾くのが当然だった。「モダン楽器でのバロック音楽」や「近代の音楽の発想で弾くバロック音楽」に疑問が高まったのはついここ20年くらいのこと。
それと同じレベルでより短いスパン(30年単位程度:1世代単位か?)で少なからず弾き方が変わって行ったのだなと弓の構造や減り具合を見て思う。
疑問は限りない。ヴォアランに見られるような軽い弓が流行ったのは何故なんだろう。これも今のところ分からない。文献で分かった気になるのではダメだ。手持ちのヴォアランの現物から実感として気づく時が来たら良いなと思う。

関係はありませんが散歩に行った際のネコ写真。緊張感あるシーンになりました。