モノは使ってナンボ〜車もヴァイオリンも

水曜・木曜は東京にてレッスン。6コマ+6コマと今週は比較的余裕の日程でした。ご利用&お越し頂いた皆様有難うございました。私側がさすがに疲れが溜まっていて、少し休めたのは自分にとっては幸いでした。いつもと同じようにレッスンができていればと願っています。

4月に買ったアルファロメオ147GTAの走行距離が50,000kmになった。47,052kmで買ったので3,000kmほど乗ったことになる。壊れる定評のある少し古いイタリア車。幸い、この3,000km細かなトラブルはあれど動かなくなるようなことはなく、あちこちに連れていってもらえた。のみならず「車で走ること」と「音楽を走らせる」共通点を考えさせられたり、Allegro、Vivace、Prestoといった速度記号の意味を考え直すきっかけにもなった。イタリア車は実際の速度によらず前に進むスピード感がある反面、ドイツ車の走りは確かにテンポ通りと思った。こういう点、音楽としても共通する。

走行距離が伸びるほど故障のリスクも高くなるし、金銭的価値は下がっていくのは分かっている。けれども道具は使ってナンボのものと思う。骨董品でも金銭的価値が高いものでも基本的にモノは使われるために生まれて、使い潰されて消えていくのがあるべき姿だ。使い潰される前に捨てられるのは悲しいことであるし、投機の商材になるのはもっと悲しいことだ。

ヴァイオリンでも自分は過度に大切にせずどんどん使うようにしている。場合によってはレッスンにお越しの方に弾いて頂くこともある。使うことで生じたトラブルは都度直すことにしている。その方が楽器として致命的なトラブルを減らすことができ、長生きさせることができるものと思うし、何よりその音を多く聴いてもらえることが楽器にとっての幸せだろうと信じる。

今後も直してもらいながら良い状態を維持しつつ、音楽を考えるきっかけになりながら様々な知らない場所に連れて行ってもらえることを願っている。そういったモノとの付き合い方に慣れているためか、壊れやすいイタリア車に今のところ失望しないで過ごすことができている^^。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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