木曜・土曜・日曜は東京にてレッスン。7コマ+9コマ+8コマと大盛況でした^^。ご利用&お越し頂いた皆様有難うございました。
考えさせられる興味深いご質問を頂いた。デタシェの意味について。ガラミアンの書籍では「音符の間には休止はない運弓」とされていて、うちでもこの意味で使っている。ところがバロックでは音符間に途切れ目があるとされている。同じ用語がなぜ別の意味を持つようになったのか?がご質問の趣旨。
とても興味深い。そして仮説として「弾き方ではなく道具の違い」とその簡単な検証をしてご参考にして頂ければと思い、お答えをさせて頂いた(もちろんそれが正しいわけではありません。わたしは300年前の演奏を聴いた事はありません。ただ確かに古い楽器や弓は手元にありこれは有力な手がかりと考えます)。
音楽を含めた歴史の解釈として大学の頃に受けた文化人類学の講義が自分のベースになっている。その先生は分からない事を何でもかんでも「宗教的・呪術的な事柄」にする解釈に異を唱えてらした。その姿勢は今でも尊敬している。
「ヴィブラートは練習すればそのうちできる」から「なんだか分からないけれどストラディヴァリはとにかく素晴らしい」に至るまで、間をブラックボックス化する思考がヴァイオリンの世界にも少なくない。けれども複雑な解釈を必要としない常識的でシンプルな理由を見つけたいと私は思う。
世の中は分からない事だらけだ(コロナに対する行政の対応も複雑怪奇で摩訶不思議な事だらけ。いろんな力が働いているのでしょう)。でも、手元にある手がかりも使いながら事実を確かめていき仮説検証をしていくのは楽しい事。デタシェひとつもそれによってその時代の音楽をどう弾くべきかに直結するため、思考が広がり楽しく面白く思っています^^。

こういう書籍がありまして、うちでは基本的にはこれをベースに考えています。
ただこれが唯一絶対でもなく「?」も当然あります。時代もこの頃とは違います。