火曜〜木曜は東京にてレッスン。火曜と水曜は4コマ+9コマでそれぞれ満員大御礼になりました!一方木曜は4コマだけのご予約だったため、私の側で夜間帯は埋めてその時間でやりたい事をやらせて頂きました。お越し&ご利用頂いた皆様有難うございました。
やりたい事。ヴィオラの練習。
良いオールドヴィオラを昨年12月に入手したがいまだに上手く音が出せない。ちょっと気を緩めると中身のない音が出てなかなか難しい手強い楽器=面白い楽器。思ったような音が出る時もあるので楽器の整備状態が悪いわけではなく(調整不良や整備不良による不調は違う感触のものです)、弾き方によるものだと思う。空いた時間でバッハの無伴奏チェロ5番のヴィオラ版を使って、丁寧に弾き方をあれこれ試してみた。
この楽器は昔のドイツ式の弾き方が合うのは分かっていたが、ふと思いついて指弓(手首と指でくねらせるような弾き方。現代ではあまり使われずむしろ忌避される)を試してみた。指弓については、ボウイングが不安定になるデメリットが大きいのに、なぜそこまで推奨されたのか以前から疑問にも思っていた。
この楽器だと響く!
板がとても薄い楽器のためだろうか。指弓は発音が不明瞭になりがちだが、楽器によってはむしろ響きに寄与することになるのは発見だった。アマティやスタイナーなど1600年代以前の板が薄く膨らみの大きい楽器だとこの弾き方が合うのかもしれない。
板が厚く膨らみの少ないモダンイタリーなどではこの弾き方は全く合わない。一般論としてはフレンチ=ベルギー式で指弓を使わないで弾く方が望ましいだろう。でも楽器によっては、また状況によっては別の弾き方が良いのかもしれない。もしかするとロシア式の弾き方はキッテルの弓だったり気温の低い状況では有効なのかもしれない。
どの弾き方も正しいわけでも間違っているわけでもない。奏法が先に来るのではなく、楽器に合わせて弾くのが奏法なのだなあ、結果が良いものが正しい奏法なのだなあと思わされた。教える側としてはこの事を知っていないと体格や楽器に合わない弾き方を押しつけてしまうことになる。それは危なっかしい事だ。
もちろんそれだけで全面解決になるわけではないが、長年の疑問が少しずつ解けてくるのは楽しい事です^^。

古いヴィオラと新しいヴィオラでは全く弾き方が異なります。
どちらが良い弾き方というわけではありません。

別件ですが、自分で選んだアボカドが程よい熟れ具合でプチ幸福
アボカドは難しいですよね