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19/12/20 感想:ホロヴィッツのピアノについての本

感想:ホロヴィッツのピアノについての本

火曜〜木曜は東京にてレッスン。3コマ+6コマ+6コマと標準的なコマ数になりました。空き時間を使ってちょっと必要もあってヒンデミットのヴィオラソナタの譜読みなんかをしていました(とても弾きこなせないし、レッスンではとても自信持ってできません。人前で弾くわけでもありません。譜読みだけです)。お越し頂いた皆様有難うございました。

往年の名ピアニストのホロヴィッツが使っていたピアノについての本を読んだ。木裕著「ホロヴィッツ・ピアノの秘密」という本。木氏はピアノの調律師の方。この方がピアノの世界でどういう位置づけの方なのか知らないが、わたしにはとても面白く読めた。

ピアノを巧みに弾かれる方やピアノがお好きな方には申し訳ないが、わたしはピアノの音に苦手意識がある。けれども、ホロヴィッツやリパッティの音楽は素敵に感じる(最近の人ならリュカ・ドゥバルグと言うピアニストがお気に入り)。

この本からホロヴィッツの音はピアノ自体に違いがある事を知って興味深く感じた。ピアノの寿命は10年と言われる中、ホロヴィッツは非常に浅い軽いタッチにした古いスタインウェイを愛し世界中持ち歩いたそうだが、彼の強烈なロマンティシズムに溢れた表情付けを活かす楽器の音としてはこのピアノ以外あり得なかったのだろう。

ヴァイオリンについても最近思う事がある。「何が何でもストラディヴァリやグァルネリが良いわけではなく、音楽にマッチした道具が音楽を活かすのだろう」と当たり前の事。9月にお借りしていたスタイナーはバロックや古典派の音楽にはとても合ったがロマン派の音楽には合わない。トルテの弓もロマン派の音楽には合わないがペカットは合うようだ。

ヴァイオリンはピアノ以上に歴史が長いためこの問題が大きく出るはずだ。現在バロック音楽は当時の仕様の楽器(ピリオド楽器)が浸透しつつあるが、そのロジックなら、ロマン派の音楽はヴィヨームやベルナルデルなどフレンチの楽器が合うと思うし、ワグナーなどは案外ドイツの量産楽器が良いかもしれない。

現在の演奏家の経済事情を考えると「音楽に合わせた楽器」は現実的ではないが、「クレモナの名器」一極集中のスターシステムに頼った音楽ビジネスは終焉を迎えていると思う。そしてピアノの「スターシステム」の代表的存在とも言えるホロヴィッツ。レコード会社やピアノメーカーとの忖度・圧力と格闘しながら、それでも自身の求める音を追求できた時代の寵児だったのだろうとも。

 

 



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