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19/10/3 現代では求められていない上質なヴァイオリンの音

現代では求められていない上質なヴァイオリンの音

1日は月初で12月分の予約開始日。既に100コマを超える大変多くのご予約を頂きました。また火曜・水曜は東京にてレッスン。今週は余裕のある日程でした(だからこの時期にオールド楽器をお借りした)。お越し頂いた皆様有難うございました。

お借りしているオールド楽器のお話です。毎日長時間弾いて楽器の特性が分かってきた気がする。そしてこの楽器の製作家はかつて大変に高く評価されつつ現代では凋落してしまった理由も。

大変に上質な肌理の細かい音だ。わずかなコントロールで音楽の表情が多彩に変化する。微細な表情を使い分ける上手い俳優さんのような感覚で、音楽の陰影を出すことができる。これまで弾いたオールドヴァイオリンには無い感覚だ。耳をつんざくような音量は出ないが(力を入れ過ぎると途端に耳に触る音がするが)、決して小さくはない豊かな音量だ。200人程度のホールならこれで充分だろう。

凋落した理由:その繊細な表現が必要とされなくなったため。

フランス革命を経て、多くの聴衆に音を届かせる必要性と、微細な表情の変化よりも音量の刺激が求められたのだろう。ヴァイオリンも繊細な表情を犠牲にしても音量を求められるようになった。エレキギターが騒音と言われながらも必要を満たした結果定着したのと同じで、モダン仕様のヴァイオリンも当初は騒音だったのだろう。

この製作家の楽器は現代ではモダンイタリーよりも価格は安い。安いという事は求められていないという事だ。けれども、楽器として死んでしまっているわけでも、使えないものでもなく、依然として上質な豊かな音が出るものなのだと思いが至った。反面、「上質」が求められていない現代としたら、文化自体は死んでしまっているということだろうか…。

今月もどうぞよろしくお願い致します。



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