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19/2/19 「事実」を受け入れること〜天動説と地動説

「事実」を受け入れること〜天動説と地動説

土曜・日曜は東京にてレッスン。6コマ+7コマと多くは無かったのにひどく疲れ、まだ本調子ではなさそう(教える側がそういう事を書いてはいけないと思いつつ、この日記は感じた事をなるべく歪曲せずに書くポリシーにしていますので)。多くの方にお越し頂き有難うございました。

月曜は新宿と銀座へ。今週は暖かくなるのでこの機会に散髪。いつも通りQBハウスだが先日の値上げのためか丁重な対応になっていた(120円の値上げでこれだけ丁重になるなら安い!)。それから気になるギター(1950年代のレスポールの再現を目指した国産ギター)を新宿と銀座でそれぞれ別のものを試させて頂いた。

ヴァイオリンも「ストラディヴァリの再現」は世界中の課題だ。現時点で300年の年代差があるので完全に同一にするのは論理的に不可能(再現した楽器が300年経ったら、ストラディヴァリは600年前の楽器になる)と分かっていても、理想に近づこうとする努力に共感を覚える。

そういった再現を試みたものに、知識の無い人は情報を見て飛びつくか「製造国が違う」などと忌避するかだ(中国製を見下すなど)。実体験を伴わないオタクはネット情報を元にどうでもいい一面だけ見て「違う」とSNSに書き込む。権力ある人は本物の価格を釣り上げ政治的・経済的に利用する。

それは天動説/地動説を思わせる。天動説に沿ったエビデンスを集めれば間違った事も事実になる。それに権力が味方すれば間違った事による弾圧もいとわない(2009年にようやくローマ法王が地動説を認め謝罪した)。どの世界も同じで興味深い。

レッスンをする際にはこの問題を常に意識している。昔は「しっかり力を入れて弾くように」と言われたもの。現在では「力を抜いて弾くように」とよく言われる。でも、どちらが正しいわけでもなく、演奏者の体格や楽器に合わせた「適度な力で弾く」のが正しいものと思うが、いずれ「力を抜き過ぎの派」ができるのだろう。

極右も極左も争いと間違いを生む。レッスンをする際にはわたし自身の「自説」をなるべく出さないようにしている。音楽は楽譜が示す通りに、演奏技術はなるべく単純に、楽器は演奏者のやったことを素直に出すものを。結局のところそれだけと思う(それが「自説」と言えなくはないが)。

ところでストラディヴァリや50年代のレスポールは演奏者の意志を素直に出す楽器だ。即ち透明な存在だ。それにもかかわらず微に入り細に入り色を付けようと喧々諤々の議論や不毛な争いをしていることに昔の職人たちは笑っている事だろう。

まとまっていませんが、そんなことを優秀なレプリカを試させて頂きながら考えました。

有楽町の東京交通会館内の平戸アンテナショップにて
平戸のカステラ。存在をアピールし過ぎないとても品の良いカステラでした。おすすめ。

 



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