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水曜・木曜は東京にてレッスン。今週は元々がご予約が少なく、かつ、お休みの方も多く出てしまい大変余裕のある日程になってしまいました。お越し頂いた皆様寒い中有難うございました。私事ですが、今日12月13日は今年4月に死去した父の誕生日で今日で77歳の喜寿になるはずでした。その日に時間の余裕を多く頂けたこと、とても久しぶりの方にお越し頂けたこと、そして買った弓が手元に来たこと。何かご縁を感じさせる日になりました。
Facebookに書いたが、先週F.N.ヴォアランの弓を買った。毛替えと整備が出来上がって水曜日の午前中に取りに行って手元に来た^^。
ヴォアランには思い入れがある。「ボワラン(昔はそう呼んだ)」は30年来の憧れの弓。憧れのポイントは…、名称のフランス語っぽい語感+先が細く丸みを帯びた優美な形状^^;←ミーハーなんです。
もちろんトルテやペカット、サルトリーも知っていたが、サラサーテやエルマン、メニューインが愛用したというヴォアランはそれらとは違う特別な存在で「力強さよりも優美さ」「エレガント」がヴォアランのイメージ。今ではより格上のオールド弓も持っているが、展示会などでヴォアランを見せて頂くごとに特別な思いがあった。
毛替えと共に整備をお願いした。妙に先が軽くバランスが崩れていた。ラッピングに太めの銀線が巻いてあったのを、バランスと音色を良くするために軽い銀糸と絹糸にして巻皮も無しのオリジナルの姿にして頂いた。元の56gから52g程度と重さは相当軽くなったがバランスは好ましくなった。まだ松脂がなじんでおらず音は正当な評価ができないものの、良さそうだ。
嬉しくてレッスン後にたくさん弾いた^^。ヴォアランの特徴として形容されるように「羽根のように軽い」。懐かしいような古い演奏家の音楽になるし、19世紀末の音楽がとてもよく似合う。忘れてしまったような曲を弾いてみても「音楽」が出てくる。憧れの”ボワラン”が期待以上で嬉しい。
嬉しくていつもの殺風景な写真ではなく丁寧に撮ってみました。
とても優美なヴォアランの姿です。
当時は巻皮はなくラッピングもこういった繊細なものだったはず。