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18/11/19 「真に怖い」映画〜選択は自分を映す恐ろしさ

「真に怖い」映画〜選択は自分を映す恐ろしさ

土曜・日曜は東京にてレッスン。土曜は比較的余裕の日程、日曜は体調を崩されてお休みになってしまわれた方もおられましたが、7コマと多くの方にお越し頂きました。遠方の方、初めての方もおられ嬉しく思いました^^。お越し頂いた皆様有難うございました。

レッスンの後、疲れた頭に優しそうなコメディ映画と思って気軽な気持ちでAmazon Primeで観た映画。「帰ってきたヒトラー」という2015年のドイツ映画。「1945年から2014年タイムスリップしたヒトラーがテレビの人気芸人に」という紹介文に楽しく笑えそうと思ったし、ドイツでヒトラーを題材にすることはタブー中のタブーでどういうことなのかにも興味を持った。これがとても考えさせられる精神的に「怖い」映画で。

あらずじは各種サイトをご覧頂ければと思うが、残虐シーンなどは全くと言っていいほど無い。身近にいそうな頑固だが愛嬌のあるオジサンのようなヒトラー像に笑えた。映画中の人々も現代によみがえった「テレビ芸人ヒトラー」に笑いSNSでシェアして。そして貧困や難民問題などドイツ(かつ多くの国が抱える)の現代的問題を踏まえた「芸人としてのヒトラーの演説内容」に共感が広がった。

けれども、笑って共感しているのは受け手である自分自身の心の投影(このことは映画中のヒトラーが繰り返し語るし、現実のヒトラーも言及していたはず)。「ナチスを選択した過去は間違いだった」と反省し、徹底的に再教育されたはずなのに、現代も何も変わらずなお息づいていることに気づかされる。思想的に反ナチの人がナチス的に描写されているのが象徴的だ。

映画内で語られる子供や老人の貧困問題は日本にも当てはまる。そして現実に日本も含め各国に「トランプ大統領」も登場してしまった。勝手に登場したわけではない。彼らは我々の心の投影で我々が選んだのだ。

映画作品としても興味深い。観覧している我々の方が映画側から観覧されているとも言えること。「実際の移民排斥の映像」と「映画内の世界」と、「映画内の更に劇映画撮影シーン」が混ざり、「現実」と「虚構」と「虚構のさらに虚構」が混同してくること。そして「正常な人」が狂気に毒され、ヒトラーの本性が見えた人は「狂人」扱いされること。モダンアート/現代アートで語られるテーマのオンパレードだ。それでいて観終わった後に大きな印象を突きつけられる。映画らしい映画を久しぶりに観た気がする。

後で調べたら、低予算のアングラ映画と思いきやこの映画の原作はドイツでベストセラーになり映画もヒットしたようだ。突きつけられる危機感にお金を出して共有できている事。少し安心した。

そして自分は何を学ばなければいけないか、どうしないといけないか、大いに考えさせられた。「広く歴史を知り、事実を知る事。それにより判断能力を持つこと」。その弱点を持つ大衆をかつてヒトラーは突いてきたのだ。いつでもヒトラーは帰ってきうる。

 



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