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金曜日はレッスンはお休みの一日。Facebookにも少し書いたがメインで使っているオールドヴァイオリンの修理をして頂きに購入元の名古屋のシャコンヌさんへ。以前から気になっていたことで指板とナットが減り過ぎて弦が指板に当たって異音もしていた。9年前に指板修正をして頂いているが、さすがに限界が来たようだ(先日の茨城での演奏の録音を聴いたら、弦が指板をこすっている音が結構入っていた)。
指板がかなり凸凹になってしまっています。
指板が薄くなってきている事もあり今回は指板修正ではなく交換になります。
併せて多くの楽器と弓を見せて頂いた。先日モダンヴァイオリンを安価に入手したこともあり、モダンイタリーに関心が出ていて、これまで苦手意識があって避けていたモダンイタリーに向かい合おうと思った。
物事の評価には「何が出来て何が出来ないか」の整理は大切な事と思う。そのためには思い込みではなく事実を積み重ねていく必要がある。短絡的にオールドイタリー>モダンイタリー>新作イタリー>フレンチなどと考えるのではなく、それぞれの時代で製作家は様々な事情を抱えつつ、けれどもその時代なりに良いものを作ろうとしたはず。その事情が分かれば正当な評価ができるはず。
今回、モダンイタリー特有の音がする理由の一端も教えて頂き、考えさせられることが大いにあった。歴史の中でそれぞれの人がヴァイオリンを大事にしようと善意で行ったことがむしろ仇になったのだとも。演奏に支障のある問題、音に関する問題はもちろん的確に直さなければいけないが、見た目を気にし過ぎたり資産価値を気にし過ぎるとロクなことは無いものだなあとも。
一か月後の出来上がりを楽しみにしています。指板でも結構音が変わるので、願わくば良い方に変わることを。