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17/8/1 ホラ話〜遠い記憶を呼び起こす弓

ホラ話〜遠い記憶を呼び起こす弓

8月1日は10月分の予約開始日。既に大変多くのご予約を頂き有難うございました。今月もどうぞよろしくお願い致します。また、日曜日は東京にてレッスンで今回も多くの方にお越し頂きました。それぞれの方からレッスン時にご家族の事情などを伺うこともあるのですが、それぞれ皆様大変な状況の中お越し頂き有難うございます。うちも他人ごとではなく家族の事情で心配事はあるのですが、家族も大事にしつつ自分も大事にしていきたいと思うところではあります。

全然反対の浮かれたお話です。Facebookには少し書かせて頂いたがヴァイオリン弓を購入した。オールド弓でポール・チャイルズの「possibly by Lupot」の鑑定書は付いているものの(probablyではないので可能性は低い)、わたしとしては「悪いものではないけれども真贋不明なよく分からない弓。ただ音は大変良い弓」と判断している。従って買値もその骨董価値に見合った値段でそれほど高くない。スティックのみ古いものでフロッグやボタンは後世のもの。

スティックは良いのだが、フロッグ・ボタンはオールド弓風ではあるがイマイチの
センスで不格好。なぜこんな風に作ったのだろう・・・。そこは不満。

骨董的価値なり来歴・真贋、また見た目はどうでも良い、これが昨年8月に書いた「青春の輝きを取り戻す弓」で自分にとって絶大の価値がある。ホラ話と思ってお付き合い下さい。
https://www.violinwakaru.com/about/diary/201608/20160806.html

この弓で弾くと、13歳の頃に買ってもらった弓で練習していた頃の曲が淀み無く流れ出るように弾ける。バッハの無伴奏ソナタ2番フーガ、クライスラー「中国の太鼓」、バッジーニ「妖精の踊り」と言ったいささかマイナーな曲も先生にご指導頂いたが、これらはその後たまに取り出す程度でほとんど弾いていなかった。にも関わらず、この弓では楽譜を出さなくても概ね弾ける事には自分で驚いた。

潜在意識の中で20年〜30年も前にそれなりに一生懸命練習した事がどこかに蓄積されていて、何かのきっかけでそれが顕在化するのなら人生少しは希望が持てる(生まれた時の記憶のある三島由紀夫みたいな話だが)。変にレッスンにお越しの方に希望を持たせるつもりも無いのだが、一生懸命やったことが記憶のどこかに確実に残るのであればやりがいもあるというもの。

理解されにくい事と思うが、そう言う道具も存在する事(逆も然りで曲が全然流れ出てこない楽器・弓もある。どんな名品でもそういうのは自分には合わないので購入対象にはしない)、また身体が覚えているくらい曲は弾き込むものでもある事も分かって頂ければと。

「道具に頼らず弾けなければ本物ではない」と自分でも思う。その一方で音楽は道具を含め「天から降ってくるもの」が本物とも思う(ストラディヴァリなど名品を求める人はその意識が強いと思います)。わたしは後者と明言できるほど謙虚で、そして天から降ってくるためには多くの弾き込みが必要であると思いたい。

今月もどうぞよろしくお願い致します。

 



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