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土曜日は東京にてレッスン。この日の気温は36度!大変暑い中、今回も多くの方にお越し頂き有難うございました。
政治的な発言は極力控えるように心がけているが書かせて下さい。
国連にて核兵器禁止条約が採択された。これまで存在していなかった「核兵器は違法だ」という内容で世界史の教科書に載るくらいに重要かつ意義深いことだ。ところが核保有国や核の傘に守られている日本などは条約に署名しなかった。その是非はここでは問わないが(即座に核兵器を禁止できる状況ではないことも理解できる)、核保有国が条約に参加しない理由として「現実を見ろよ」が興味深く思った。
下記URLがNHKでの記事です。
→http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170707/k10011049481000.html
「現実を見ろよ」はビジネスの現場でもよく使われる、「青臭い理念・理想を捨てよ」という言葉だ。軽々しく使われるのであれば、これは現実を変える努力をしない人が発する言い訳の言葉だ。
ヴァイオリンの狭い世界でも「現実を見ろよ」につながる言い訳は多い。「もう歳だから」「練習時間が限られているから」「環境が無いから」はしばしば聞く。「音楽では食えないから」と夢をあきらめさせる発言も多い。でも、現実に対してどう行動するのかが全ての人にとっての課題だろうし、現実を変えていく手助けをするのが教師であり先達の仕事だ。例えば、ヴァイオリニストになりたい方がいるのなら、演奏技術はもちろんだが、音楽の市場が縮小している中、新しい市場を開拓するのに必要な知識の手がかりを伝えるべきだろう(私自身は市場開拓に最も必要な知識は「普通の教養」と考えている)。
今できることは限られているし、今できることを実行するのが必要だ。けれども理想は持ち続け現実を少しずつ変えていく必要はあるだろう。理想あっての現実なのだから。
「現実を見ろよ」と言われそうな青臭いことを書かせて頂きました。