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水曜日・木曜日は東京にてレッスン。今回も多くの方にお越し頂き有難うございました。一方、体調を崩されてお休みになってしまった方もおられました。今年は寒いですし、どうぞお大事になさって頂きたいと思います。
とある方にクライスラーの「愛の喜び」「愛の悲しみ」「美しきロスマリン」をレッスンでやらせて頂いている。この三曲は「超難しい曲」のひとつと言える。これを簡単な曲と言う人は、ヴァイオリン演奏のことを全然知らない人と言える。
やるべきことは楽譜通りに弾くことと思う。耳あたりの良い容易な曲に聞こえるが、楽譜はかなり複雑で複付点や休符をきちんと弾く必要があるし、アクセントや強弱も大変によく考えられて書かれていると思う。楽譜の通り弾くとそれっぽくなるし、ムードに任せて形だけのウインナワルツにすると聴くに堪えないものになる。
技術的にも相当に高度なもの。特に「美しきロスマリン」はアップボースタッカートが極めて難しい。軽めに弾くのではなく、良い弓でかなりはっきり弾いた方がそれっぽくなる(クライスラーがラミーとヒルの弓だったのは本当だろうか?と思う)。「愛の喜び」も「愛の悲しみ」もボーイングにかなりの配慮が必要。
でも、ぜひとも多くの方に取り組んで頂きたい曲。楽譜通りきちんと弾くことの大切さがわかって頂けると思う。その意味でもヴァイオリン曲の中で最高の名曲と言える。