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火曜日・水曜日は東京にてレッスン。特に水曜日は多くの方にお越し頂き有難うございました。
楽器の調整具合がよくないケースがあった。音がうまく出ないので、駒の位置をいじらせて頂いたり、弦を別の種類のものにさせて頂いたりした。駒自体が適切な状態ではないため、適切な駒の位置ではないことは分かりつつ、とりあえずどうにか音が出る状態にして、「弦楽器専門店で調整してもらって下さい」とお話させて頂いた。
本来は楽器店や楽器職人など専門家がやるべきことであることは分かっていて、教えるものが手を出す領域ではない。けれども、正しく弾いても正しい音が出ないのでは、間違ったことを教えるしか無くなってしまうので、余計なことと思いながらやらせて頂いている。正しい状態は、「弓を弦に置いて横に動かすだけ」で音が出る状態。
楽器調整は本当に大切なことでわたしは大いに重視している。「楽器を買い換えなさい」と言うことはないが、「調整をしてもらって下さい」とはよく言わせて頂いている。また、その時にはわたしがいつもお願いをしているお店を2店挙げさせて頂くこともある。
楽器が悪くても何とかなることはかなりある。でも、調整が悪い場合は技術では何ともならないことがとても多くある。研いでいない刃物で無理に切るのは不毛な努力と思う。
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他の方で、身体が痛くなってしまったというケースがあった。これもよくあるケース。
身体が痛くなるのは、その箇所に負担がかかっているからと思っている。ヴァイオリンは身体に負担がほとんどかからずに弾ける楽器と思っていて、実際その仮説に沿ってなるべく楽に弾こうとすると、音色面でも音程面でも好ましくなることが多い。
わたしの方では、筋肉をなるべく張らないようにと常々お話している。それが正しいのか分からないが、少なくとも身体への負担は少なくなるはず。なるべくゆるゆると弾こうと心がけて頂ければと思っている。それでかなり良い音は出るものだから。ヴァイオリンなんかで身体を痛めるのは、好ましいことではない。
ヴァイオリンは顎で挟むものではない(多少は挟むが強くは挟まない)。頭の向きはなるべく正面に(必要以上に左に向きすぎず)。身体もなるべくねじらず。つまり、なるべく「普通」の身体の状態で。別に、力を入れて弾くことを非難するつもりはないが、これで結構弾けるもので楽に弾けるものならそれでいいと思う。ぜひ、なるべく苦労なく弾こうとして頂ければと。