ホーム >
火曜日は朝一番に臨時レッスン、夕方まで原稿の修正し送付、夕方よりレッスン4コマ。水曜日は比較的余裕があったものの、隙間の時間で楽器写真の編集作業、木曜日はレッスン8コマ。よく働いた働いた(^^;。お越し頂いた皆様有難うございました。
楽器の買い換えについてのご相談を頂いた。うちでは特定の楽器を推薦したり、楽器を選定したりは原則的にはやっていない。お問い合わせ頂いたときはわたしの方でお世話になっている楽器店をお伝えするが、特定の楽器店を指定することもない。「買い換えなさい」と言うことはないし、お持ちの楽器の評価を問われたときも基本的には悪く言うことはない(調整具合が明らかに悪いときは直させて頂いたり、調整や修理を依頼するべきだと意見させて頂くことはある)。
楽器は自分の足で探して、自分で選ばなければならないと思うため。
楽器のご相談を頂いた時は、わたしの楽器と弓を弾いて頂く。その中で、何かを感じ取って頂ければそれで良いと思っている。うちのは自分の中でほぼ理想の楽器と思っているため、「わたしが良いと思っている楽器はこういう楽器」というのが体験として分かって頂ければと思っている。それをどう捉えるかは自由であるし、いろいろな捉え方があり得ると思う。
楽器ごとに鳴らし方が変わるし、パーツ類や弓などで音色が大きく変わるため、楽器の正当な評価はなかなか難しいもの。時間をかけて楽器選びも楽しんで頂きたいと思う。「これは絶対家に連れて帰りたい!」と思う、楽器に出会えることを願っている。
ご存じの方はご存じかと思うが、わたしの使用している新作楽器でのコンサートが開催される。わたしの楽器そのものではなく、同じ製作者のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスでのコンサート。ユーザーであるご縁もあり、また、製作の工房からご依頼頂いたこともあり、コンサートのプログラムに一文を寄せさせて頂いたりした。
うちのヴァイオリンとヴィオラ:強力な音が出ます。
わたしはこのコンサートをかなり楽しみにしている。「アンサンブル」というものの仮説が検証できることになるから。
この工房の楽器は非常に大きな音が出るし、多くの楽器とは音の出方が違う。直線的な音の出方ではなく、立体的に広がる感じと言えようか。また、ヴィオラやチェロは多くの楽器に比べ、低音の量断然多い。要するに音量が大きく、太い音。
コントラバスに関しては・・・、よく分からん。エレキベースでも楽器が違うとアンサンブルの充実感がかなり違うので、多分、厚みのある響きになるのではないかと思う。
それだけなら、ストラディヴァリ・サミット・コンサートなど名器を使ったコンサートで良いのだが、全部がほぼ同じ音質の楽器というのは、アンサンブルの理想のひとつでありながら、滅多に得がたいもの。全部ストラドでも楽器によって状態にかなり差があり、均質な音とは言いがたい。
また、普通のオケの演奏は楽器は様々な製作者の楽器。ウィーンフィルはガイゼンホフとされるが、やはり状態はさまざまだろうし、全員がガイゼンホフでもないらしいし。
アンサンブルの音の均質性が、プラスに働くのかマイナスに働くのか、大変に興味深い。理屈上はぶつかる音が少なくなるため、とても爽やかな響きになりそうだが、逆にそれがつまらない響きになってしまうことも考えられる。