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水曜日は教える方のレッスン。10コマ!。多くの方にお越し下さり本当に有難うございました。(さすがに10時間は疲れました・・・)
今回、初めてお越し下さった方がおられた。遠方からお越しの方でまずまず弾ける方だったけれども、ボーイングの改善というご要望で。
初めてお越し下さる方にはほぼ全員に、ヴァイオリンを弾く考え方や持ち方・弾き方の基本的な指針をお話させて頂く。
・音符通りの長さで、音は最後まで一定に
・楽器の振動をできるだけ邪魔しない力加減で
・極力、手先ではなく身体の中の方から動かすように
・楽器が機嫌良く鳴ってくれる関係で(駒からの距離や弓の速さなど)
たいていの場合、これだけで格段に良い音になるが、上記のことの時間をかけてやっていく。
相当長期間、クレッシェンドやフォルテ・ピアノといった音量の変化や表情などについては触れないし、ルバートなどテンポやリズムの変化もやらせない。その反面、ポジション移動やヴィブラート、スピッカート、和音などは早めに始める。
単純化しすぎているかも知れない。けれども、自動車で言えば「右のペダルを踏めば走る」というように、一番大事なことを最初に伝えなければいけないと思っている。運転の仕方を知らないのに、エアコンの操作方法を教習所で教えるのは無意味なことと思う。
残念ながら、音程や音量の変化の指導は多くても、基本的な音の出し方の指導は非常に少ないように思える。音が良くなかったり、スピッカートやヴィブラートに悩むケースは、相当長い間なさっている方でも非常に多いのだから。
極端かも知れないけれども、楽器を弾く基礎技術をお伝えすることが自分の役目と思っている。それを使ってどのように音楽にするかは、ご自身にある程度お任せしたいと思っているし、それ以上介入するつもりはない。「お芸術」気取りは嫌いで、実用品として演奏技術をお伝えするのが教える側の役目と思う。
音色は良くなったし、音楽のルールに近づいたように思う。今回お話ししたことがお役に立っていればと願うばかり。