夏場にヴァイオリンを持ち歩くとき


ここのところとても暑いですね。わたしも灼熱の中楽器を持って出かけなければならないことがあったので、少し注意を要しました。

よく言われるようにヴァイオリンに高温・多湿は大敵です。ヴァイオリンを高温にさらすとニスが溶けてしまうし、多湿にさらすとニカワがゆるんでしまう。また、楽器店に聞いた話ですが、弓も高温にさらすと堅さが少なくなってしまい、ヤワヤワのへたったような弓になってしまうそうです。

自動車の中が高温になるというのはよく言われることですが、何よりケースを直射日光に当てるとあっという間に温度は上昇します。表面を手で触ってみるとお分かりのように、1分も日光に当てればケースの表面はかなり熱くなります。

最近は、グラスファイバーやカーボンのケースを持つ方も多いかと思います。また、外側は伝統的な形をしていても中身はプラスチックでできているケースも多い。どれだけ断熱対策をしているかはメーカーや商品によりますが、軽く薄いということはどうしても熱を通しやすくなります。

表面が熱くなっていると言うことは、次第に内側にも熱は伝わります。多くのケースは発泡ウレタンなどで断熱されていますが、直射日光に当てて5分もすれば内側に熱が伝わりケース内部もかなり暖かくなっています。

直射日光の中を持ち歩くのは極力避けた方が良いかと思いますが、駅からホールまでと言うだけで15分ほど歩くことは珍しくありません。極力、日陰を選んで歩いたり、白いタオルを巻いたり、時々コンビニに入ったりなど、人間にとっても楽器にとっても熱中症にならないように、できるだけ熱をため込まない工夫をお勧めします。

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(C)Caprice