ヴァイオリン教室「ヴァイオリンがわかる!」

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横断的にさまざまな楽器が見られる図鑑

ヴァイオリンの鑑定を行うためには、実際に手に取ることはもちろん、図鑑で様々な製作者の楽器を見て特徴を知る必要があります。これまでご紹介したような特定の製作者の楽器を専門的に扱った書籍だけでなく、様々な製作者の楽器を横断的に扱った書籍もあります。横断的に楽器を見ることで、それぞれ製作家の特徴を比べられるし、名の通った良い楽器に共通する特徴を知る参考にも出来ます。また、一般的にもいろんな種類の楽器が掲載されている図鑑の方が見て楽しいかと思います。

代表的かつ有名なのはWalter Hamma著「Italian Violin Makers」という書籍です。ハンマはかつて存在した有名弦楽器店で、この書籍は多くの製作者について各製作者毎に複数の楽器の写真と簡単な説明を掲載していることが特徴的です。白黒写真ですし画質も良くありませんが、多くの弦楽器店の方々はこの書籍で勉強をした経験があるはずです。現在でもリプリント版が入手可能のようです。

比較的最近出版されたものでは、「Four Centuries of Violin making」というオークションハウスのサザビーズが扱った楽器を掲載した書籍が、様々な楽器を見ることができ便利でしょう。ハンマと同じく多くの製作者について複数の楽器の写真と簡単な説明が掲載されています。写真はカラーですし、また説明も最近の知見を得ることができます。楽器に関する図鑑を一冊と言うことでしたら、この書籍はお薦めできます。

マイナーな書籍ですが、「The Emil Hermann Collection」は興味深い書籍です。ヘルマンはニューヨークで活躍した楽器商・修理者でここを経由した楽器は大変多くあります。2冊組みのこの本にストラディヴァリは掲載されていませんが、それ以外については多くの楽器が掲載されています。また、フランチェスコ・ゴフリラ〜マテオではなくやデコネ、グイダントゥスなどマイナーだけれども良い楽器も複数掲載されていることは特筆できるでしょう。2006年出版の比較的新しい書籍ですが、写真は白黒です。

こういった専門書を普通のプレイヤーが持っている必要は無いと思います(ヴァイオリン教師などで楽器を選定・紹介するのなら持っているべきです)。ですが、製作家によって楽器の表情はかなり違うものですし、同じ製作家でも見た目は全然違う場合も多いことに気が付くこともできます。人間の顔に例えるなら、他人ならもちろん兄弟でも結構見た目が違うことも多いと言う感覚でしょうか。

J.B.グァダニーニは年代によって特徴が大きく変わることは有名ですが、ストラディヴァリでもグァルネリでも様々な楽器があります。製作者によってはもっと個体毎のスタイルが違うこともあります。その事実を知る上でこういった横断的な図鑑は有用と言えます。

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