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ヴァイオリン製作者名辞典と取引価格の過去データ

お持ちの楽器や弓がどんな人によって作られたか、また、買値は妥当だったか知りたくなることもあるでしょう。もちろんこれから購入するものであればなおさらです。でも、ネットで検索してみたもののどれが信頼できる情報か分からないし、何を調べたら良いか見当もつかないこともあるかと思います。

ヴァイオリンの製作家はストラディヴァリやグァルネリ、アマティ、グァダニーニと言ったスター製作家だけではありません。知る人ぞ知る製作家も多数存在してきたし、名もない製作家も現代に至るまで何万人という単位で多数存在してきました。そして有名な作家も無名な作家もそれぞれそれなりの値段で取引されます。

考えてみれば万単位の人数の製作家についてそれぞれ説明があり、それぞれに値段があって、どのお店でも大体同じ値段になっているのは不思議なことと思うかもしれません。有名無名を含めた製作家を網羅的に扱った辞典や取引価格の参考となる資料が存在します。

ここでは弦楽器製作家の辞典としてJohn Dilworth著のThe Brompton's Book of Violin and Bow Makersを、楽器の値段の参考となる資料としてDonald M.Cohen著のTHE RED BOOK Auction Price Guide of Authentic Stringed Instruments and Bowsをご紹介することにします。※

The Brompton's Book〜は2012年に出版された書籍で著者のJohn Dilworthは現代の弦楽器の世界で著名なキーパーソンのひとりと言える人物です。10,000人以上の製作家名が掲載されています。

中身はこんな感じで文字ばかりです。存命作家は掲載されていませんが、Suzuki Masakichiも掲載されています。かなり網羅的に弦楽器製作家の名前を知ることができる書籍と言えるでしょう。

またTHE RED BOOK〜はサザビーズやボナムスなど主要オークションの過去のオークション落札価格をまとめた書籍です。落札価格がそのまま販売価格では無いことには注意が必要ですが、その楽器のおよその値段を知ることができます。

わたしのは少し古い2006年版ですが2012年版まで出ているようです。こちらも文字が中心の書籍ですが、3,500人の製作者の20,000件以上の過去のオークション価格について示されています。また、巻末の付録として楽器や弓の判定の仕方やブランドと実際の製作者の関係、実在しない名前の製作家の一覧などが示されています。

こういった書籍を個人が購入する必要はないでしょう。ですが、これから購入しようと思っている楽器はもちろん、ご自分の楽器についても知っておくのは悪いことではありません。子供の頃に買ってもらった楽器であれば、どんな楽器なのか知らずに長年使っている事もあるでしょう。その楽器を知ることは「少しでも良いものを」と思って買ってくれた親への感謝の気持ちにもなるでしょうし、買い換えるにしてもその正体を知っておくのは悪いことではないと思います。機会ある時に弦楽器専門店などでお聞きになるとこういった資料を基に教えて下さるかと思います。

The Brompton's Book〜については
http://www.amati.com/shop/products.php

THE RED BOOK〜については
http://www.theredbook.us/

※弦楽器製作家の辞典としてUNIVERSAL DICTIONARY OF VIOLIN & BOW MAKERSというものが長年使われ続けていますし、値段はTAXE DER STRAICHINSTRUMENTEという書籍が参考になるかと思います。ただ、ここでは比較的新しいものをご紹介することにしています。

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