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多くの教室で「弓の元では弓を寝かせなさい」と指導しているのではないかと思います。弓の元では手首を曲げて弓を寝かせ、弓の中程になるにつれて弓を立てる、といったものです。私自身このように習ったし、こういった弾き方の方をよく見かけます。 もちろん、出そうとする音色や音量によっては弓を寝かせたり立てたりすることはあります。そのことではなく、恒常的に弓を動かすたびに弓の元で手首を曲げる弾き方が目につくと言うことです。 この弾き方はメリットが多くありません。弓の元でスムーズに弓を返すことができることが思いつくメリットです。ですが、弓の毛一本あたりの圧力が強くなるため、うまく弓を持ち上げてないとスムーズに弓を返すことはできず、かなり難しいコントロールをしなければなりません。 音色面でも元弓で弓を傾けると、発音や音のインパクトが不十分になってしまいます。日本人の演奏に多い、発音がはっきりせず音を出した後で音量が大きくなる、いわゆる「後押し」の音になりやすくなります。これは西洋音楽としては好ましくない発音です。 名ヴァイオリニストの演奏を見るとたいていのヴァイオリニストは弓の元だからといって手首を曲げていないことに気づきます※。弓の中程から元まで手首の角度を全く変えず、そのままで弓を返している演奏家がほとんどです。 弓の弾く場所によって手首の形を変えたり使用する弓の毛を減らす必要はなさそうです。中弓から元弓まで手首の形を特に変えずに弾いてみてはいかがでしょうか?最初は手応えに違和感があるかと思いますが、録音してみるとこの方がヴァイオリンの音らしく聞こえるはずですよ。 ※パールマンのみが元弓で手首を曲げて弓を寝かす奏法をしています。オイストラフはほんの少し、ミルシティン、スターン、コーガン、ハイフェッツ、ギトリス、ズッカーマン、ギル・シャハム、ヒラリー・ハーンなどは弓の元でも手首はまっすぐです。 関連記事 |
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