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毛替えと弓の保全:弓を壊さないために3

毛替えは弓の毛を交換する作業ですが弓の保全にもつながります。毛替えを必要に応じて行うことで弓を良い状態に保つことができます。

一方、必要も無いのに毛替えをするのはお金もかかることですし、松脂がなじむまで手もかかります。都市圏でなければ工房に送付し返送されるまで時間がかかることでしょう。無駄な毛替えを避けるためにも、弓や弓の毛がどうなったら毛替えが必要なのか知っておくことは有益なことと思います。

毛替えは3ヶ月毎にと言われることもありますが、感覚的には3ヶ月程度で寿命が来るようには思えません。普通に趣味で弾いている場合は年に一度程度の頻度で充分かと思いますが、本質的には期間での判断ではなく、不具合が生じたら交換するものと考えるべきです。

毛替えの直後は松脂がなじんでおらず音が良くありませんが、毛替えから2週間程度で落ち着き始め、その後は良い音が持続します。そして最終的に松脂が滑って毛に付かないような感じになり、弾いた感覚も弦の上を滑るようになります。これが寿命で正常な状態での毛替えのタイミングと考えています。

寿命が来る前に生じる問題もあります。

弾いている時に弓の毛が切れてしまうことがあります。強い力が毛にかかった時に切れることが多いのですが、一般的に弓を寝かせて弾くことも多いため片減りします。明らかに片方の弓の毛が少なくなったまま使用していくと、テンションの左右差により弓が左右に曲がってしまうことがあります。

また、使用していくうちに弓の毛が次第に伸びていくことも多いものです。伸びていくと、特に湿度の多い場合は弓の毛が張れなくなってしまうことがあり、無理に張ろうとするとネジを傷めてしまうことになりますし、巻き皮とフロッグの間のスティックが親指で削られて減ってしまうことにもなります。また毛が不均一に伸びると音がうまく出なくなってしまいます。

上:弓の毛が伸びている状態、下:正常の状態
弓の毛が伸びると、普通程度に毛を張った時でも
フロッグと巻き皮の隙間(矢印で示す箇所))が空き過ぎる。

松脂を塗っても滑るような感じになったり、弓の毛が明らかに片方だけ少なくなっていたり、巻き皮とフロッグの隙間が明らかに空いていたりしたら、毛替えを依頼するべきでしょう。2年も3年も毛替えをしていない場合は、まずは毛替えの依頼をしてみることをお勧めします。まずは良い状態を知って、その上でご自分にとって必要な頻度を判断すると良いかと思います。

※あまりにも頻繁に切れる時は弾く時に弓を弦に押しつけ過ぎていることが考えられます。また、弾いていないのにケースの中で切れる場合は虫の可能性や、ケース内の弓の留め具に不具合があることが考えられます。わたしはBAMケースの留め具に毛が引っかかって切れたことがあります。

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