楽器を弾くにあたって防音の問題は避けて通れません。部屋の側で防音対策することも可能ですが、もっと安価に手軽に対策ができるのが消音器です。
消音器は駒につけて使用し、駒から胴体に伝わる振動を減らすことで音量を小さくする器具です。ヴァイオリンの世界では「消音器」と「弱音器(ミュート)」とは区別していますので、気をつけてください(写真の左2つはミュートです。右3つが消音器です)。
消音器の種類には金属製、金属とプラスチック製、ゴム製などがありますが、消音効果の高い金属製をお勧めします。
金属製は駒から外れやすく、表板を傷つけたり、落下して自分の足に当たったりすることがありますが、強力な消音効果があります※。一方、ゴム製は駒から外れることはないのですが、消音効果は強くなく、特に低音は消音器なしと同程度の音量が出ます。消音器は消音できなければ意味がないと思います。
消音器の使用には楽器を傷つけるリスクがありますが、近所や時間を気にせず練習できることがメリットです。夜間や早朝の練習をする際にはぜひ使ってみて下さい。
※消音器を使うと楽器の音が悪くなると言われますが、これは耳が消音器の音に慣れるためと、消音器をつけたときに向いた演奏法になるためと思います。楽器自体の音はほとんど変わりません。
※金属製でもネジで駒に固定するタイプのものもありますが、これはお勧めしません。適度に外れてくれないと、ぶつかったときに駒を破壊します。