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水曜・木曜は東京にてレッスン。今回も多くの方にお越し頂きました。レッスンにお越しの方に音楽の組み立て方についてお話しさせて頂いたケースがありました。継続的になさっている方の場合、音階と練習曲を重複しつつ鈴木教本→小野アンナ→カイザー→バッハ BWV1043全楽章(1stと2nd両方)→クロイツェル→カール・フレッシュと進めるケースが多く、その辺りになると鈴木教本の6巻が進められるようになる。ここまで来てようやく音楽表現のお話しが出来るもので、ここまで来て頂けると私も嬉しく思います。お越し頂いた皆様有難うございました。
木曜日の休み時間に染井霊園に行ったら草陰に三毛ネコが丸くなって寝ていました。
カメラを30cmほどに近づけても目を覚まさず。春が来ました。
ここ最近ヴァイオリン書籍の新刊が続いているようだ。立ち読みで済ませた書籍もあるのだが、最近出版されて購入して得るところのあった書籍を2冊ご紹介。
ズデニェク・ゴラ著 「ヴィブラート教本〜ヴァイオリンのための」音楽之友社
その名の通りヴィブラートに特化した教本。普通の楽譜のサイズで47ページとそれほど厚くはない。マスターするべきヴィブラートの種類について書かれていることは特筆できる。速さや振幅を変化させたヴィブラートの種類が24種類明示的に記されているのは他に例がなく貴重と言えるし、何をやらなければいけないかが明確になるだろう。ヴィブラートの練習自体についてはサイモン・フィッシャーのBasicsの方が豊富かつ実践的に思えるが、練習方法についての記述も少なからず示されており参考になった。
→Amazonではこちら「ヴィブラート教本〜ヴァイオリンのための」音楽之友社
フレデリック H. マーテンス著 ヴァイオリン・マスタリー 名演奏家24人のメッセージ 全音楽譜出版社
これは古いインタビューを日本語訳したもの。様々な書籍に孫引きされている内容が散見されるが、これがオリジナルだろう。内容は大いに役に立つ。ティボーがチャイコフスキーのコンチェルトを評価しなかったこと、まだ17歳のハイフェッツがインタビューに「ヴァイオリンばかりじゃなくスポーツやカメラ、車などやりたいことがたくさんあるんだ」と答えているのはとても興味深い。「練習のしすぎは練習しないより良くない」といったハイフェッツらしかぬ言動も(ただ、その後技術の低下を批判されて自分を律するようになったとされる)。また練習しないことで有名なクライスラーも「ヴァイオリンを触ること」を「練習」と呼んではいなかっただけのようだ。他にもエルマン、イザイ、アウアーなど歴史に残る人物の現代にも通じる言動が豊富で大いに興味深く、かつ、考えさせられた。おすすめできる書籍。
→Amazonではこちら「ヴァイオリン・マスタリー 名演奏家24人のメッセージ」