ヴァイオリン教室「ヴァイオリンがわかる!」

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楽器の調整

金曜日に使用している新作楽器を調整して頂いた。こういう場合に困るのが望む音を言葉でどのように表現すればいいのかという問題。充分に鳴ることは当然として、音の色味を言葉で表現しないといけない。

注文内容は次の通り(多少脚色あり)
「耳に痛くないように」「いったん弓のエネルギーが楽器にしみこんで、それがf孔から粘りを持って出てくるように」「中音を減らしドンシャリ気味にしてぺたーとした平ぺったい音が出るような感じで(メタル系の音の感じ)」「元気な明るくさわやかな感じではなく、少し疲れたような影と憂いと含みのあるような感じ」

何を言っているのか自分でも分からない(^^;。ヴァイオリンの音でヘビメタの感じと言われても困るだろう。とても理解できそうにない説明から、望む音にして頂く事ができました(^^)。いい音、いい弾き加減になると俄然嬉しくなる。

調整をして頂いてから望む音を言語でどう表現したらいいのか考えた。

ストラドの音がきめ細かい音の粒子が軽やかに上向きに発散されるとするなら、デルジェスはやや粗い粒子で地に足の付いた暗い音色、響きも地を這うよう(実際にはストラドの方が低音は出ていると思うが、デルジェスは低音弦の出方が独特)。わたしはデルジェスの鳴り方を好む。

音がストレートではなく含みと弾力感を持ちニューっと伸びること。音色は金色ではなく銀色であること(でもアルミ色ではない。銀は柔らかい光り方でやや黄色がかる。ドミナント弦ならA線とG線の色あいの差)。弾いた感じは剛性の高いものではなく、弓で力をかけた一瞬胴体全体が変形してから振動するような弾き加減。エレキギターならストラトキャスターではなくレスポール、アンプならフェンダーではなくマーシャル、豆腐なら絹ごしではなく木綿、うどんなら醤油味の讃岐うどんではなく赤味噌の味噌煮込みうどん(^^;

分かりにくい。どうやって表現すれば伝わるのだろうか。「デルジェスのように」で良いのだろうか?デルジェスにもいろいろあるし・・・。ストラドなら1720年以降の晩年のもの。グァルネリファミリーは比較的条件に合う。J.B.グァダニーニは必要以上にねちっこい音に感じる、ヴェニススクールは湿っぽすぎて違う。ミラノスクールは条件に割と合う。等々。

楽器の調整の言語表現は皆さんどうしているのだろうか?また職人さんはどういう表現だと分かりやすいのだろうか?マクドナルドみたいに望む音の方向性を指差し注文できればいいのになんて思ったりもする。

 



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