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かつて大学・大学院の時、視覚と聴覚の認知心理学を学んでいた。特に大学院にいた頃は、音響工学寄りのことをやっていた。日々大学内の無響室に出入りしていたし、当時まだ高価だったハードディスクレコーダーを使い、複数のスピーカーを並べて音響研究のまねごとをしていた。ただ、情熱はあまりなく、自分には向いていないのだろうと思って研究者の道をこれ以上進むのは止めた。
金曜日はとある音響研究への協力のためヴァイオリンを持って出かけた。詳しいことは一切書くことができないのだけれども、ああ、研究室の雰囲気ってこんな感じだったなと懐かしく思った。研究者の道をあきらめたのに、理系的な研究職が性に合っているのかもなあと。その場の雰囲気がなんだか居心地が良かった。
紆余曲折ありヴァイオリンの世界になぜか戻ってきたわけだが、大学院の時に半分嫌々ながらやってきた音響工学の知識や経験が今になって生きるとは思わなかった。
多くのヴァイオリニストには見えない見方で物事を見ることができるのは、きっととても幸せなことなのだろう。大変に興味深く貴重な経験をさせて頂きました(^^)。