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土曜日は東京にて、日曜日は愛知にてレッスン。2日間で15コマと今回も非常に多くの方にお越し頂き有難うございました。連日寒いですね・・・。
今回は初めてお越しの方もお二人おられ、ヴァイオリンを良い音で鳴らすにはというお話を中心にやらせて頂いた。お話させて頂いたことの一部でもご理解頂ければと思っている。
ヴァイオリンで良い音が出せるかどうかは、道具を生かすことができるかに依存する。だから、楽器は同じでも演奏者によって音色が変わることになる。レッスンでお話していることは、道具を生かすことについてに過ぎない。
で、最近自分的に流行っているのは、弓を立てること。オールド弓は弓を立てて弾いた方が好ましい結果になることが多いが、最近入手したトルテ・スクールの弓は、更に弓を立てて弾く方が良いようだ。この感覚は往年の名演奏家達の弾き方と同じという事になる。
わたし自身もまだ慣れておらずうまく弾けないこともしばしばではある。
何でもかんでも、弓を寝せて、指板寄りをというのは、よほど楽器や弓など楽器の品質が悪かった時代には有効だったのだろうと思う。うちでも、お持ちになる楽器によっては、弓を寝せるお話をすることもあるが、それぞれの楽器や弓にとって良い音がする加減にとしているつもり。
結果を得るための技術。「弓を寝かせりゃいい」と言った技術的な方法論に凝り固まってはいかんなあと思う今日この頃。
金曜日はヴァイオリンの調整をして頂きに名古屋へ。
胴体の小さい楽器の調子が、今ひとつになってきていたし、調子が良くなったり悪くなったり不安定な状態にもなっていた。点検して頂いた結果、指板修正、駒交換、魂柱交換を行うことに。5年前に購入して初めての大修理だが、わたしの方からのリクエストは何もなく、お任せで。
駒はただ弦高に合わせて削って立てるのだけではない。そのレベルでは駒を作っているとは言えないだろう。弦の振動が楽器までストレスなく適切に伝わるように駒を削っていっている様子だった。実際に、どういう法則性なのかはわたしにはよく分かっていないが。
魂柱も良さそうな材質のものになったし、だいぶ減っていた指板も削り直されて新しい表面が見えるようになった。調整具合も、魂柱や駒の位置関係を相当に精度高く配置して頂いたようだ。非常に微妙な位置関係で音が変化した。
結果、めちゃくちゃ豊かな響きの楽器になった。これまでやや地味だった音色が、これぞヴァイオリンの音と言える華やかな音色にもなった。
良い音になるととても嬉しい!(^^)。翌日土曜日の東京でのレッスンは、この楽器を多用したし、お越しの方に弾いて頂いたケースもあった(^^)。
元気になったヴァイオリンさん。