ホーム >
土曜日・日曜日は教える方のレッスン。今回も多くの方にお越し下さり有難うございました。
新しい楽器になさった方がおられたり(だいぶ音が変わったものです)、いろんな松脂を試された方がおられたり(松脂でもだいぶ音が変わりました)、わたし自身の弓が調子が悪くなってしまったり(急に毛の加減が劣化した感じ)、今回もいろんなお話をさせて頂くことができました。
一般的に多くの教室では音色について話が出ることはあまりなく、音程を中心とした技術に偏ることが多いのだけれども、楽器や松脂といった音色に関することに興味を持って下さることは嬉しいこと。松脂の種類だけでなく塗り方でもだいぶ音が変わるし、弦に付着した松脂を取り除くだけでも音は変わる。
ヴァイオリンはいわば知恵の結晶のような楽器で、何をやっても音が変わる。楽器自体も、付属品も、弾き方でも、大きく音が変わり、全部が整って「良い音」が出る。その奥深さを楽しんで頂ければと思う。
ヴァイオリンは250年ほど前の古い楽器を使っているし、最近35年前のエレキベースを購入した。古い楽器が「枯れた音」がすると言われるが、実際のところあまり自分にはよく分からなかったりする。
いずれも感じるのは、「中身の多い音」「濃い音」。熟成の進んだチーズみたいな感じで、味の濃い音が出るように思える。
ただ、古いからそうなったのではなく元々当時の楽器がそういう音が出ていて、それに経年による「渋み」が加わっているような印象がある。ただ古いだけの楽器は、しわがれたような音が出るようだ。
「オールド」、「ヴィンテージ」は信仰のような面もあるし、売る側のセールストークかもしれない。それでも、確かに良いと思える楽器もあるから興味深いところ(1970年代のフェンダーのエレキ楽器は当たり外れが激しいので、古さだけの加減ではないかもしれない)。
ヴァイオリン属の弦楽器の場合は50年くらいは「新しい」の部類に入るので熟成の確認は難しいけれども、うちのヴィオラ(2009年製)の熟成が確認できればなと思う。