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水曜日は教える方のレッスン。うだるような暑さの中お越し下さり有難うございました。
道具のお話。古い弓の場合、長年の間に小指が当たる部分が減ってへこんだようになっていることがしばしばある。古い弓をお持ちの方にこの部分に小指の位置を合わせてみてはとご提案したら、良い音が出るようになった。
弓の減った部分。これはわたしの弓。
減っている部分は、長年の間、多くのプレイヤーが良い音がする位置、弾きやすい位置と判断した部分なんだと思う。他の方にもこのお話をさせて頂いたことがあり、やはり良い音になったように思う。
長年にわたる多くの人の判断は粗末にできないものだなあと。
修理の間、お借りしている楽器。2週間ほどになるが、少しずつ慣れてきて良い音が出せるようになってきた。300年ほど前の楽器だけれども、自分の楽器(270年ほど前の楽器と250年ほど前の楽器)とは少し設計思想が違うように思う。
板も一層薄いし、少しアーチも高め。ヤコブ・シュタイナーのような思想の楽器なのかな、と感じている。
より軽い力加減、より楽器を邪魔しない加減、響かせる加減がようやく分かってきた感じがする。弓を乱暴に弾くと音量が出なくなってしまうし、強い圧力では響きが止まってしまう。また、相当に駒寄りで弾ける。
少し長期間タイプの違う楽器をお借りすると、演奏技術や楽器についてなど多くの発見があって楽しいし、嬉しく思う。アンドレア・アマティ(1570年頃の楽器。ヴァイオリンの始祖)なんかは、一度は少し長い間弾いてみたい楽器のひとつ。