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土曜日は埼玉にて、日曜日は愛知にてレッスン。2日で17コマ!多くの方にお越し下り感謝いたします。
今回の埼玉レッスンはいつもお越し下さる方が大半と比較的珍しい。「良い音になったな」と思う方が何人かおられた。
通常、多くの教室では音色について指導されることはあまりない。「きれいに弾きなさい」「良い音で弾きなさい」とは言われても、「どうしたら良い音になるか」はあまり説明されていないと思う。
確かに、自分で習得した方が強固な技術になるとは思うが、それはそもそも教えることを放棄していることと変わらないと思う。教えてもらうのは、自分で習得する時間を短縮するためと思う。
別に秘密でも何でもない。胴体を大きく震わせる理屈通りのことをやれば良い音になるのだから。充分にエネルギーを与えることと極力楽器の振動を邪魔しないこと。それに尽きると思う。
今回のレッスンでおふたりの方に楽器の簡単な調整を行った。調整といっても、駒の位置を変えるだけのもの。わたしは、楽器のプロではないし、専門的な知識があるわけでもない。おひとりは、弦の交換時に駒が動いてしまったとのことで、もうひとりは、あまりにもずれていたから。
駒を動かすというと、「弦長が変わってけしからん」などという方もいるだろうが、そんな大雑把に動かすわけではない。ほんの気持ち(数値にすれば0.05mmと言ったところだろうか)動かすだけで、大きく音(音量・音色ともに)は変化する。また、駒の角度は基本的には表板に対してほぼ垂直だが、傾き加減を変えて脚への力のかかり具合を変えても音は変化する。
魂柱との組み合わせでテコになっている。魂柱に近づければ音が硬く強くなるが、弾いたときの抵抗感が強くなる。魂柱から遠ざければ音はやわらかく弱くなる。丁度良い加減が難しいところ。
お使いの弓が充分に強い弓(弦を動かす力のある弓)であれば、魂柱に近づけても大丈夫と言える。また、弦が太いなど抵抗感が強い場合(質量が大きい)は、あまり魂柱に近づけることができない。
うちの場合は、レッスンの形態上、よその教室に通っておられる方もたくさんおられるが、先生や楽器店の方で、きちんと整備して、それから、簡単な整備の方法も伝えて頂きたいところ。駒が曲がっていたり、ペグがまともに動かない方があまりにも多いから。道具の扱い方も指導のひとつと思うぞ。